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スーパーシェルパと怪しい仲間達

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2016年 03月 05日

スピードメータケーブルの修理

シェルパのスピードメータケーブルですが、古い年式の車体でケーブルの外皮(シース)が
紫外線と加水分解でボロボロになって中の電線が見えてしまっているものを見る事があります。
ウチの1号車、3号車、5号車でこの症状を発症していました。
同じ症状が出てテープを巻いて対応しているオーナーさんも多いのではないかと思います。
スピードメータケーブルの修理_c0212385_11532.jpg

この部品は新品は結構な価格がするのですが、シースがダメになっているだけで機能は
特に問題ないので、これを安価に修繕する方法を記事化しておきたいと思います。

※当方にて修繕作業の実施も行っております。(記事最下部をご覧下さい)




まず、用意するものですが
・シースがダメになったスピードメータセンサ x1
・熱収縮チューブ
NPE 8-4-1 840mm x1, 30mm x1
NPE 10-5-1 70mm x2
・針金 1mくらい
・ヒートガン、ライター等の熱源
・精密ドライバーのマイナス
・ニッパー、カッター
・シリコンシーラント

1)シース剥がし
まず、ダメになったシースを剥がします。
劣化の進行が激しいものは手でポロポロ取れます。クラック程度のものは中の電線を傷付けないよう
細心の注意を払いながらシースを外していきます。
この時、電線に巻き付けられている薄いビニールは切れてしまっても害はありません。
スピードメータケーブルの修理_c0212385_121725.jpg

また、この際にロワーブラケットに固定する際に使われるブッシュも切り離しておきます。
再使用する場合は割りを入れて剥がし、新しくする場合はACTIVEが販売している
ホースクランプラバー GR1 が良さそうです。

2)コネクタ分離
ケーブルからコネクタを分離します。
スピードメータケーブルの修理_c0212385_0582535.jpg

写真のコネクタピン(コンタクト)を上側からプラスチックの爪で押さえているので、コンタクトと爪の間に
精密ドライバーを軽く差し込んで爪を持ち上げて、コネクタ後側から電線を引っ張って引き抜きます。
電線には防水パッキンが仕込まれているので、少し強めに引っ張る必要があります。
分解前にどの端子に何色が入っているか確認してメモをしておきましょう。
尚、この写真の場合は左上が白、右上が赤、下が黒になります。

3)チューブ通し準備
コンタクトを一列に並べてマスキングテープ等の表面摩擦の小さいテープを巻いてやります。
スピードメータケーブルの修理_c0212385_14455.jpg

列をなるべく短くしておかないと、チューブを通し終わった時にコンタクトがチューブの中、とかいう
悲しい状態になります(笑)
また、テープは太くならないように巻きます。
また、このときに電線を延長する形で針金を一緒に巻いてやります。
チューブにケーブルを通す時に、先に針金を引っ張ってやるので、抜けないようにコンタクトに
絡めたりしてやります。

4)1本目チューブ通し
針金(メッセンジャー)をNPE 8-4-1のチューブに通して引っ張り、電線をチューブに通してやります。
チューブを全部通し終わった際に、中にテープを巻いた部分が残ってしまった場合は、諦めるか
チューブを少し短くします。

5)1本目チューブ収縮
1本目のチューブに熱を加えて収縮させます。センサ側にしっかり寄っているように注意しながら
収縮させます。この時、テープはまだ巻いたままにしておきます。
このとき、チューブと電線の間に少し余裕がありますが、これは仕様ですw

6)2本目チューブ通し・収縮
NPE 10-5-1 70mmチューブを通してやり、下図の指定位置で収縮します。

7)3本目チューブ通し・収縮
6項と同じチューブを先に収縮したチューブの上にかぶせて収縮、2重にしてやります。

8)4本目チューブ通し・収縮
NPE 8-4-1 30mmくらいを通してからテープを外して電線の出ている部分に付けてやります。
ちなみに、この加工は行わなくても問題ありません。見た目・・・というか、習慣と気分の問題ですw

9)コネクタ組立
2項で分解したコネクタを組み立てます。コンタクトの側面に歯が出ているのを写真の上側
(爪がついている側)にして差し込み、カチッと音がするまで差し込みます。

10)センサ側接着
センサ側のチューブの末端にシリコンシーラントを付けて先端を固定します。
電線への振動による応力集中の低減と防水が目的です。
このとき、接着剤が流れるので、ケーブルが上向きになるよう何かでセンサを固定しておくと良いでしょう。

11)ブッシュ接着
最初に外したブッシュを接着、または新品ブッシュ(ACTIVE等。純正は単品で出ません)を指定位置に
シリコンシーラントまたはG17等の接着剤で接着してやります。


これで完成です。
スピードメータケーブルの修理_c0212385_1162695.jpg

※作業の都合上、接着関係はまだやっていません

チューブやブッシュの位置関係ですが
スピードメータケーブルの修理_c0212385_1204720.jpg

このような位置関係にあります。
図ではセンサ部分の防水処理がエポキシになっていますがシリコンシーラント(黒)の方が良いです
また8-4-1の長いチューブ全長ですが、最近の研究でH1については840mm、H2以降?では860mmが良いという事が分かってきました。

※足し算すると合わないような気がしますが気のせいですw

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◆スピードメータケーブル修理サービス開始
(2019年~)
スーパーシェルパ、KLX、Dトラッカー、スズキ250SB(DトラッカーのOEM品)のスピードメータケーブルの修繕作業がめんどくさい!でも実施したい人向けに当店では修繕サービスを始めました。
費用は¥4000(送料別)です。

※材料費高騰につき2022年11月より価格改定させて頂きました。

同時にセンサ部のオイルシール交換作業や、遠方より部品のみ送付して頂く事に対応。
作業期間中の代替え品貸し出し(現在はスーパーシェルパのみ、KLX/Dトラッカーは近日対応予定)のオプションサービスも御用意があります。

件名に『◆スピードセンサケーブル修繕問い合わせ』と記載していただき
メール nossi_ckあっとまーくyahoo.co.jp
までお問い合わせ下さい。
※ジャンクメールに振られてしまった場合の対策として、件名の「◆」は大切です。
必ず◆をご記入下さい。
※多忙時期に返信が送れる事があります。ご迷惑をお掛けしています。


by nossi_ck | 2016-03-05 01:17 | 整備・改造 | Comments(6)
Commented by モンシェル at 2016-03-06 07:54 x
モンシェルです。先日は大変有り難い情報有難うございました!誠に勝手ながら私のしたないブログにも御勧めリンクとして是非とも掲載させて頂きました!これからも色々なシェルパ整備情報楽しみに応援しています!同県内・モンシェル号見かけたら気軽にお声かけ頂ければ嬉しい限りです(笑
Commented by nossi_ck at 2016-03-07 09:33
>>モンシェルさん
いえいえ、こちらこそありがとうございました。
かなり突っ込んだ整備もされているので、私も非常に勉強になり参考にさせていただいております。
Commented by sundayhunter at 2018-03-27 18:25 x
はじめまして、sundayhunterと申します。
先日スーパーシェルパを手に入れたのですが、年式(98年式)相応にガタが来ており、乗れるようになるまで時間がかかりそうでニヤニヤしています。早速参考にさせていただきました。
どんな仕上がりになるか心配でしたが我ながら上手にできたのではないかと。これからも勉強させていただきますのでよろしくお願いします。
Commented by nossi_ck at 2018-03-28 09:10
> sundayhunterさん
初めまして、管理人です。シェルパは多目的に使えて長時間乗っていても疲れない優秀なバイクだと思っています。
シェルパの持病と対策は別ページにありますので参考にして下さい。
記載がないガタが出ているような場所があれば御相談いただければと思います。
Commented by thideji at 2023-05-06 10:07 x
シェルパH5グリーンのワンオーナーです。メーターケーブル補修出来ました。サイト情報提供感謝!
Commented by nossi_ck at 2023-05-08 11:39
> thidejiさん
初めまして、管理人です。
情報がお役に立ったようで何よりです。


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